レーベル マイスター・ミュージックfuさん(Norikunさん)にご説明をお願いしましたら こんなに詳しく教えて下さいました。 マイスターミュージック=オレンジノートなのでしょうか? そういえば、オレンジノートレーベルのものはすべてマイスターになっているような気が…。 オレンジノートが以前からこだわっていたのは、ホールでのワンポイントステレオ録音、ソニック・ソリュージョン・システムを使ったデジタルでのダイレクトカッティングのようです。 つまりミキサーが余り音をいじっていないようです。音調を整えるのに普通はプロトゥールスなどを使って曲をつなぎ、バランスなどを整えていくのですが、おそらく、それも行なわず、使用するマイク、マイクとの距離、ケーブルや電源のクオリティ等で整えるようです。 私が想像するに、マイクもノイマンなどのコンデンサーの上質なものを使い、ケーブルも6N以上のクオリティのもの、電源もDCではなく、ACバッテリーなどを使用しているのではないでしょうか。このような録音を行なうと、音がクリアーになり、ホールトーンが再現されると同時に生音に近いソリッドな音が記録されることになります。 録音では、間に余分なものが入るほど、音の鮮度は落ち、音像はボケます。 丁度、カセットテープのダビングを繰り返すと音がこもるようなものです。 人によっては、あまり、クリアーすぎると、音が耳につくので嫌う人もいます。 もしかしたら、マイスターの録音は曲を途中でつなぐことをしないのかもしれません。 彦坂先生に聞いていただいた方が真実ははっきりすると思いますが、リテイクするときは楽章まるごと、とか、一曲全部、ということになるのではないでしょうか。 ただ、このような録音は、手間がかかるのと、大量生産のCDには向いていないため、敬遠されがちです。最近の多くの録音は(特にポップスやジャズでは)極端なオンマイク(楽器のベルにマイクを突っ込むぐらい)でスタジオで別々に録音し、ミキサーがそれをミキシングしてトラックダウンします。 これは、デジタル録音によって、格段に広いレンジの録音が可能になったこと、マイクが近ければ、近いほど、微細な信号が拾えること、録音スタジオのの癖を拾いにくいこと、などが有るようです。もちろん、音作りはディレクターと、ミキサーが決めた、質感、バランスになります。 で、マイスターの音、ですが私は、少しソリッドに過ぎる気がします。クリアに録音されすぎると、どうしてもソリッドな音に傾きやすいようですね。それは、マイクがノイズとともに、関節音を拾いにくいことが原因なのかもしれませんが、私は、ホールにダミーでもいいので人を入れて(吸音する人形でもよいので)録音すると、多分、改善される気がするのですが、誰も試してくれません。(笑) マイスターミュージックのHPにいろいろ録音のことを書いてありました。 マイクはデットリック・デ・ゲアール氏手作りの真空管マイクのようですね。 平井義也さんという方が、トーンマイスター(Tonmeister)というドイツの国家資格を日本人で初めて取得ことに因んでのマイスターミュージックらしいです。 私の想像ではこのマイクは人間に普通は聞こえていないであろう帯域の音もかなり拾うのだと思います。それが生なおとに近くなる原因の一つのようです。音響関係者の人は蝙蝠の鳴き声が一部感じられるぐらい耳が鍛えられた方もいるらしいので、そういった方たちにはもっと違う成分の音まで聞こえているのかもしれません。ただ、残念なことにCDは可聴帯域以外の音はカットされてしまうので、そのあたりを聴感によって調整し、コントロールしているのだと思います。 |